河口湖だより




河口湖だより令和5年6月号


暦の上では、はや立夏を過ぎ、吹きゆく風にも初夏の香りが感じられるこのごろ、お元気でお過ごしでしょうか。

この原稿は五月上旬に書いています。富士河口湖練成道場の境内地では桜満開の時節が終わり、葉桜の季節になりました。花吹雪舞う頃には、春野菜の作付けを盛んに行いました。菜園一面に白菜やキャベツなどのいろいろな種類の野菜が作付けされています。いずれも順調に育っており、道場の前の道を散歩で通られる地元の方々が讃嘆して行かれます。

また先月に本部練成道場(飛田給)の皆さまが植え付けて下さったジャガイモも奇麗に新芽を出して、菜園に足を運ぶ私たちを楽しませてくれています。ジャガイモ畑では、土寄せと除草作業が大切な管理作業となります。収穫できるのは、七月後半頃になろうかと思います。

さて、思い返せば、私が当道場に赴任して来たのは平成二十年(二〇〇八年)四月、今から十五年前です。その頃の私は富士河口湖町での農作業に関しては、全くの未経験であり、無知識でした。その私に手解きして下さったのは、地元の農家の人たちでした。私たち道場員がジャガイモの植え付けや野菜の種まきをしていると、霜が降りるのを心配したのでしょう。「地元では富士山に農鳥が浮かび上がった時が、春野菜の作付け時期とされている」という貴重な情報を提供してくださいました。その後、いくらか霜の影響を受ける事はあったものの、多くの野菜は順調に育ちました。その野菜たちを見て、ホッとしたのを覚えています。

今も毎朝菜園に足を運んでいますが、野菜を見るたびに嬉しくなります。ビニールで覆いをしたり、水をかけたりして、語りかけるように手をかけたことを思い出しながら、頑張ってくれている野菜に感謝しています。さらには、これらの野菜が順調に育つようになったのも地元の方がいろいろと教えてくれたおかげと、地元の方たちにも心から感謝しています。今後は五月半ばにキュウリや茄子などの野菜の植え付けを予定しています。

現在、富士河口湖道場では新型コロナウイルスの感染拡大防止で練成会を中止しています。一日も早く感染拡大が終息し、練成会が開催されるように願っています。

のページの先頭へ