河口湖だより





総務岩本悟

10 月半ば霊峰富士山にも初冠雪が見られ、秋も深まってまいりました。境内地の菜園では、白菜、キャベツ、大根など秋野菜が緑々と繁り、私達の目を楽しませてくれます。
また、花壇では、マリーゴールドなど夏の花が一掃され、秋から春にかけて花を咲かせる、パンジーやチューリップの球根が植え付けられています。約1000 株の花苗は岐阜県や富山県の信徒の方が準備して下さっていましたが、今年は富山で花屋を経営される信徒の方が体調をくずされ、長い間花苗を手配してきたが、これからは準備することが出来ないという連絡をして来られました。その代わりと云って、長年花苗を育て、花屋さんに納めて居られた農家の人を紹介して下さいました。私は富山県まで車を走らせ、農家の人とお会いいたしました。初めてお会いいたしましたが、花屋さんの人柄などを聞きまして、頭が下がる思いになりました。これから河口湖道場の花壇の花は、花屋さんに変わって農家の方が準備して下さることになりました。愛念込めて花苗を育てる農家のご夫婦、長い間花苗を提供して下さった花屋さん、商売を超えて人と人との心の交流、信頼の絆に感動いたしました。
車に花苗を積み込んで飛騨高山の山並みの紅葉を眺めながら河口湖道場へと帰途につきました。飛騨高山の紅葉が今は真っ盛り、大自然が挙って祝福してくれているような爽やかな気分で練成道場へ無事に帰り着くことができました。花壇に植え付けるパンジーの可憐な花、その間に深く植え付けるチューリップ球根、それぞれの花が訪れる人の目を楽しませてくれることでしょう。
富士河口湖練成道場では、素晴らしい大自然に恵まれた利点を活かし、四季折々の献労を通して様々な体験をし、自然との一体感を深め、人間は神の最高の表現体という真理に目覚めてまいります。秋の青空に聳える霊峰富士山に励まされながら道場員一同、日々精進努力して道場を浄め尽くし、皆様のお越しを心からお待ち申し上げます。

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《随想》

今、与えられている仕事に心を込めて

本部講師宮本十郎

『新版生活の智慧365 章』の86 頁に「人生を闘いと思うべからず」という小みだしがあり、次のように書かれている。
生活と闘っているというような人生観をもってはならない。闘いというものは常に勝敗を予想しているものであるから、常に警戒し常に恐れ、常にイライラしていなければならない。そのような気持では、真の平和も幸福も来らないのである。或る西洋の光明思想家の詩に「われは我が戦いをたたかえるに非ず、われは我が歌をうたえるなり」という句があるが、そのような気持こそ、本当の人間の生活なのである。
河口湖道場に北海道の釧路から御夫婦で来られ、夫の英男さんは主として食堂の係をし妻の俊子さんは受付をしている。その食堂がいつ見ても床が光っている。道場は木造の古い建物であるのに床板がピカピカに輝いており、おどろくばかりである。



平成26年12月