河口湖だより



7月号
【自己限定を破る富士登山】

 新緑鮮やかな時節となりました。道場玄関車寄せの壁には、今年もツバメが飛来して巣を作りました。しばらくして、雛が誕生し、親鳥が入れ替わり餌を運ぶ、雛は一斉に背伸びして餌を口移しに与えられる。微笑ましい光景に心が和みます。境内地の樹木に取り付けられた小鳥の巣箱にも、出入りするつがいの小鳥が見られます。おそらく、巣箱では雛が誕生しているのだろうと思います。このようにこの時節は、自然界の生命が萌え立つ姿があちこちに見られます。境内地や天上山に植樹した樹木や花木も一斉に芽吹いてまいりました。練成会献労で真心込めて植樹した苗木が新たな生命を萌え立たせる姿に、東日本大震災で被災された多くの人達の復興を観る思いで、一日も早くこの苗木の如く立ち上がられることを祈る今日この頃です。

 富士河口湖練成道場では、大講堂を寒さ対策の一環として、厚いカーテンで間仕切りしていましたが、練成参加者の進言もあって、間仕切りすることを止めることにしました。カーテンを開放して、限定しないで会場の器は、大きくなければ人は集まらないことを気づかせていただきました。進言して下さった方に心から感謝いたします。

 解放された河口湖道場では、七月の富士山練成会で、十三日に富士山登山練成会を開催いたします。各コースに分けて登山いたしますのでどなたでもご参加いただけます。昨年も多くの方が登頂に成功され感動と喜びの登山練成となりました。中には、癌を医者から宣告され、決死の覚悟で登頂を果たし、今年五月の検査で完全復調を告げられた方も居られます。富士山登山は、自己限定を破る絶好の機会でございます。又、登山解禁となる七月からは、各練成会で、富士山五合目からご来光を仰ぐ行事が行われます。早朝雲海の彼方から差し昇るご来光は、あなたに大きな力を与えてくれることでしょう。

 天地の恵みに感謝して、素晴らしい大自然の中で開催される河口湖練成会は、自然と共に生命萌え立つ練成会です。皆様方のご参加を道場を浄め尽くして心からお待ち申し上げます。

平成23年7月