河口湖だより



11月号
【神様のお導きと自然の力を実感】

 九月二十四日、霊峰富士山には初冠雪が見られました。いよいよ秋も深まってまいりました。二十一日に静岡県に上陸し、日本列島を縦断して走り抜けた台風十五号はあちこちに多大な被害をもたらしましたが、河口湖道場でも猛威をふるいました。

 暴風雨が強い中、隣接するトヨタ自動車から、屋根の雨樋がはずれて飛びそうなので、対処して欲しいとの通報がありました。連絡を受け処置に当たっている時、寮の横にそびえ立つ白樺の大木の根本から根が切れる音が聞こえましたので、塀を越えてトヨタ自動車の従業員に倒木の危険を伝え、駐車場に駐車されていた三台の新車を含む車の移動をお願いいたしました。移動が終わった直後、境内地の白樺の大木が駐車場へ向けて倒れたのです。まさに間一髪の出来事でした。更に、国道沿いに設置された送電線の電柱を支えるワイヤーが境内地まで引き込んでありましたが、その線にもたれて倒れたために、電柱が少し傾く事態となりました。しかし強風の中ではどうすることも出来ず、家に戻って待機した途端、風雨がピタッと止んだのです。おそらく台風の中心付近にかかったと思われます。

 急遽、道場員を招集し、チェンソーやロープをもって駆けつけ、無事倒木を伐採して処理し、傾いた電柱も元に戻って、大事に至らなくて終えることが出来ました。神様のお導きを実感すると共に、自然の力と驚異も体感いたしました。「器には従いながら岩亀を通すは水の力なりけり」という聖句がありますが、それぞれの器に従順と従って無力と思える水も、時には災害をもたらす大きな力があると云う教えです。自然の恩恵に感謝して、すべては神において一体であるという自覚で共生していくことが、万物の霊長といわれる人間に求められることではないでしょうか。

 素晴らしい大自然の中で開催される富士河口湖練成会は、自然と共に生命萌え立つ練成会です。道場員一同、皆様方のご参加を道場を浄め尽くして心からお待ち申し上げます。

平成23年11月